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【年間ランキング】映画公開で原作文庫ヒットの方程式

■全20ジャンルのランキングがわかる
『2010年 年間“本”ランキング』はこちら!


 映画のヒットがベストセラー文庫誕生のきっかけに。1日発表の『オリコン2010年年間“本”ランキング』文庫部門には、期間内に216万部を売上げた1位の『告白』(双葉社)を筆頭に、『悪人』上・下巻(朝日新聞出版/3、4位)、『食堂かたつむり』(ポプラ社/9位)、『インシテミル』(文藝春秋/10位)など、話題映画の原作文庫が軒並み上位に登場した。

『年間“本”ランキング』文庫部門で堂々の1位を獲得したのは湊かなえ『告白』(双葉社) 

『年間“本”ランキング』文庫部門で堂々の1位を獲得したのは湊かなえ『告白』(双葉社) 

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【年間ランキング】映画原作がズラリ「文庫部門」TOP25

■文庫1位の『告白』、映画と相乗効果で実売216.2万部

 年間売上1位に輝いた『告白』は、『2009年 本屋大賞』『2008年 週刊文春ミステリーベスト10』で首位を獲得した、湊かなえのデビュー作。昨年11月に女優・松たか子主演での映画化が発表され、公開(6月5日)を控えた今年4月8日に文庫版が発売された。話題性のあった作品だけに、4/19付の週間ランキングで初登場1位を獲得。

 映画の封切りが近づくにつれ順調に売上を伸ばし、公開直後の6/14付では、今年初となる文庫本ミリオンセラー(145.5万部)を達成した。映画は興行収入38億円の大ヒット。その面白さに世界も一目置き、ハリウッドからリメイクオファーが殺到し、香港や台湾でも上映された。その後も、原作人気は留まるところを知らず、9/6付では200万部(201.2万部)の大台を突破。初登場から21週目での記録は、2008年の同ランキング開始以来、文庫本最速となった。

■『悪人』は上・下巻の累積でミリオン突破

 もう1例具体的に見ていこう。年間TOP5入りした『悪人』上・下巻(2009年11月6日発売)の週間ランキング初登場は、2009/11/16付での『〜上』30位と『〜下』41位。その後、今年2月には100位圏外となっていたが、6月下旬頃から映画の完成報告などでメディアに取り上げられ、7/5付で再びTOP100位内に返り咲いた。

 映画公開直前となる、日本時間9月7日には女優の深津絵里が『第34回 モントリオール世界映画祭』で最優秀女優賞を受賞したことも追い風となり、現在も公開中の映画は興収20億円が見込まれる盛況ぶり。公開前週となる9/13付(集計期間:8月30日〜9月5日)で2冊そろって初TOP10入り(上巻:7位、下巻:9位)を果たすと、公開週の9/20付では1、2位を独占。映画のヒットとともに好セールスを続け、10/4付で上・下巻累積100万部も突破した。

■原作文庫のヒットは、書店の“売り方”も影響

 映画公開に伴う文庫本の売上アップは、書店側の“売り方”も影響しているようだ。映像化される原作本の特設コーナーを常備している「くまざわ書店」では、映画の注目度や上映館数が多いことなどを選定基準に、月に1回程度作品の入れ替えを行っている。上記の『告白』、『悪人』もその対象となり、予告編映像を流すなどして展開し「だいたい映画の公開週が(売上の)ピークになる場合が多いのですが、この2作に関しては公開後も順調に売上を伸ばしていきましたね」(同社営業推進部)と手応えを語る。

■ドラマ原作も放送を機に売上上昇

 また、映画だけでなく“ドラマ”原作にも同様の傾向が見られる。女優の吉高由里子が主演した、7月クールの連続ドラマ『美丘−君がいた日々−』(日本テレビ系)の文庫版(角川グループパブリッシング/09年2月発売)は、放送を機に売上を伸ばし16位。文芸書部門ではあるが、「ゲゲゲの〜」が『2010年 新語・流行語大賞』に選ばれるなど、社会現象を巻き起こすきっかけとなった『ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければ、すべてよし!!』(武良布枝・著/実業之日本社)も6位と高順位を記録した。

 なお、今年文庫部門2位にランクインした『夜明けの街で』(東野圭吾・著/角川グループパブリッシング)と、20位の『阪急電車』(有川浩・著/幻冬舎)は、2011年に映画公開されることが決定している。これらは、映像化が決定する前に発売された文庫ということになるが、上映日に向け売上が右肩上がりとなる現象が来年見られるかもしれない。

■文庫部門 TOP10
1位 216万1520部 湊かなえ『告白』(双葉社)
2位 68万6885部 東野圭吾『夜明けの街で』(角川グループパブリッシング)
3位 66万3240部 吉田修一『悪人 上』(朝日新聞出版)
4位 62万1327部 吉田修一『悪人 下』(朝日新聞出版)
5位 60万4018部 桐野夏生『東京島』(新潮社)
6位 56万2823部 東野圭吾『使命と魂のリミット』(角川グループパブリッシング)
7位 54万7000部 百田尚樹『永遠の0』(講談社)
8位 54万2198部 東野圭吾『白銀ジャック』(実業之日本社)
9位 48万3033部 小川糸『食堂かたつむり』(ポプラ社)
10位 45万7378部 米澤穂信『インシテミル』(文藝春秋)

※集計期間:2009年11月23日〜2010年11月21日

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関連写真

  • 『年間“本”ランキング』文庫部門で堂々の1位を獲得したのは湊かなえ『告白』(双葉社) 
  • 『年間“本”ランキング』文庫部門2位の東野圭吾『夜明けの街で』(角川グループパブリッシング) 
  • 『年間“本”ランキング』文庫部門3、4位にランクインしたのは、吉田修一『悪人 上・下』(朝日文庫) 

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