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『ヒミズ』ベネチア新人賞の染谷将太&二階堂ふみが歓喜の会見

 『第68回ベネチア国際映画祭』コンペティション部門に出品された映画『ヒミズ』(園子温監督)で、日本人で初めて最優秀新人俳優賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞した染谷将太二階堂ふみが11日、都内で会見した。同作は5月からの撮影を前に東日本大震災が発生し、急きょシナリオを書き直して物語の中に震災を取り込み、被災した宮城県石巻市での撮影も敢行した。奇しくも震災から半年を迎えた日の吉報に染谷は「日本人の若者に賞が与えられたのはすごく意味がある。この賞と日本の若者の架け橋になれたら嬉しい」と喜びを語った。

 『第68回ベネチア国際映画祭』で新人賞をダブル受賞した染谷将太と二階堂ふみ 授賞式直後の園子温監督から電話があったという染谷に、「私にはなかったです…。将太くんの電話で受賞を知りました」と二階堂

 『第68回ベネチア国際映画祭』で新人賞をダブル受賞した染谷将太と二階堂ふみ 授賞式直後の園子温監督から電話があったという染谷に、「私にはなかったです…。将太くんの電話で受賞を知りました」と二階堂

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 受賞の一報を受けて染谷は「これは本当なのかと疑いましたが、今もふわふわしているんですが、会見に臨んで徐々に実感が湧いてきているところです」。二階堂は「実感がないというか、嘘なんじゃないかなという気持ちでいっぱいです。この賞は、私たちに対してでもあるし、震災から立ち上がっていく同世代の若い人たちへの頑張れという思いも感じています」と声を震わせた。

 同作のラストシーンの撮影は、5月下旬に震災の爪あともまだ生々しい石巻で行われた。ロケに参加した染谷は「現地に行くまで想像もできなかったが、実際にその場に立ったら言葉が出なかった。頭が真っ白になりました。本当に空っぽになって立っていて、希望をもたざるを得なくなった。人間は絶望の中でも希望を見つけるものだなと思った」と振り返った。

 同映画祭の俳優部門としては、1961年『用心棒』、1965年『赤ひげ』で2度男優賞を獲得とした三船敏郎さん以来46年ぶりの受賞。世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)での10代の受賞は2004年のカンヌで受賞した柳楽優弥以来となる。

 染谷は「困難に立ち向かう若者のあがきに対して賞を頂いた気がしている。世界中にたくさんいる若者たちに対して、新しい未来を作っていく若者たちへの賞だと思う。少しでも日本の映画界が盛り上がってくれたいいし、僕もこれを励みに精進したい」と話した。

 21日に17歳の誕生日を迎える二階堂は、これ以上ないプレゼントに「女優の仕事を始めてから漠然と世界に出たいという気持ちがあった。ベネチアに参加できて、夢がかなったではなく、一歩大きく進んだと思っている。これに満足せずに、自分の人間性も世界規模で大きくしていきたい」と笑顔を輝かせた。

◆園監督は原作者・古谷実氏にも感謝

 現地時間で10日夜に行われた授賞式に出席した園監督は、「日本の子供たちの未来を切り開くための映画として作ったので、彼らが評価されるのは嬉しい。二人の努力が実った結果だと思うので、二人に感謝したい」と自分のことのように喜んだ。

 同作は園監督にとって初の原作モノで、『行け!稲中卓球部』などで知られる人気漫画家・古谷実氏が、ギャグを一切封印して若者の残酷な青春を描いたベストセラーコミックが原作。古谷氏に対しても「先生が一生懸命作っていただいた物語がないと、この映画はないので、古谷さんの漫画にも感謝しています」と述べていた。

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  •  『第68回ベネチア国際映画祭』で新人賞をダブル受賞した染谷将太と二階堂ふみ 授賞式直後の園子温監督から電話があったという染谷に、「私にはなかったです…。将太くんの電話で受賞を知りました」と二階堂
  • 「現地の観客から劇中のセリフ「ガンバレ、スミダ」と声をかけてもらったのがとても印象的でした」と染谷。二階堂も「伝わってきました。頑張れって。私たちだけでなく、日本の人たちを励ましているような気がして、ウルウルきました」などとベネチア映画祭を振り返った
  • 先に帰国した染谷将太と二階堂ふみに代わって受賞トロフィーを受け取った園子温監督

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