俳優の生田斗真が稀代の美男子・光源氏を演じる映画『源氏物語−千年の謎−』が10日、公開初日を迎え、キャスト陣が都内で舞台あいさつを行った。「これからも大切にしていきたい作品になりました」と手ごたえを明かした生田の演技力を、光源氏のモデルともいわれる藤原道長役で共演した東山紀之（少年隊）は「斗真をずっと見てきましたが、この役をやったことによって彼は非常に成長した」と絶賛。後輩の活躍を「（生田の）さらなる可能性がみえてきたと思う」と喜ぶとともに「皆さんも斗真の姿をみて、日本人のDNAを目覚めさせていただければ」と作品をアピールした。

　同作は日本文学最古の恋愛小説として受け継がれてきた紫式部の『源氏物語』をベースにした歴史エンタテインメント作。光源氏が平安王朝を舞台に繰り広げるラブストーリーと、物語を紡ぐ紫式部のラブストーリーを同時進行で描き、これまで明かされなかった『源氏物語』の謎を紐解いていく。

　舞台あいさつには、物語の生みの親・紫式部役の中谷美紀をはじめ、陰陽師・安倍晴明役の窪塚洋介、光源氏に翻弄される女性役を演じた真木よう子、多部未華子、芦名星、田中麗奈も登壇した。「もし光源氏に実際に出会ったら？」という質問に女性陣はそれぞれ即答できず苦笑いを浮かべ、「傷つくのが怖いので身を引く」（真木）、「どうするか時間をかけて考える」（多部）、「関わりたくない」（田中）とさまざまな意見が出る中、中谷は「光源氏のどうしようもない性には共感できるので、光源氏の気持ちになって美女たちと恋をしたい」と持論を展開し、会場をわかせた。

　また、来る12月12日が1年を象徴する漢字が発表される「漢字の日」であることにちなみ、キャストそれぞれが今年を象徴する漢字一文字を発表するという場面もあった。東日本大震災から続く不安から『闇』と発表した鶴橋康夫監督に続き、東山は「そんな闇の中でも、人との強い絆で明かりが灯されたと思ったので」という考えから『灯』。自身の役名にもある『光』と綴った生田は「芸術や文化には人の人生を変える力がある。僕たちの魂込めて作った作品が、日本の皆さんの希望の光になれば」と真摯に語った。