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流行りモノ調査隊 ♯96 『何で“○○力”がもてはやされているのか?』
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『○○力』書籍売上げランキング
『悩む力』編集者インタビュー
悩む力
姜尚中
発売日:2008年5月
発売元:集英社
価格:¥714(税込)
続いて、『○○力』書籍売上げランキングの1位に輝いた、姜尚中『悩む力』の担当編集者、集英社・落合勝人氏にタイトルに込めた意味、読者から寄せられた声について話を聞いた。
「このタイトルは、もともと姜さんが考えられたものなんです。ただし、個人的には、『○○力』という本が多く出ていたので、この言葉を使うことに抵抗感がありました。でも、改めて本を読み返してから考えてみると、内容に即した、非常に素直なタイトルだと思ったんです。「悩む」というウジウジした(思い迷う様を描いた)単語と、「力」という言葉を結び付けるのも、案外新鮮なんじゃないかと。というのも、この数年間の新書のトレンドとして、勇ましいメッセージが多かったんです。『○○の品格』であるとか『美しい国』とか・・・。個人的に勇ましいメッセージや価値観と距離を置きたい気持ちもありましたし、簡単に「この価値を信じればいい」という時代ではなくなってきていると感じます。だからこそ、「悩むこと」が「力」なのである、というひっそりしたメッセージが、これほど多くの人々の心に届いたのではないでしょうか。
読者のみなさんからは、『自分は、こういう悩みを抱えていたけれども、ちょっと頑張ってみようと思った』というような、ストレートな感想が多かったです。自分自身と対話しながら本を読み進める。これが、本来の読書の光景だと思うのですが、僕にとっては、そうした反響がすごく新鮮でした。
秋には、姜さんの新刊が出ます。まだ、詳しいことは言えないのですが、姜さん初のビジネス書(!?)になる予定です。『悩む力』とは違った形でやりたいと思っているので、そちらも楽しみにしてください」
[取材協力]
集英社 新書編集部 落合勝人
http://www.shueisha.co.jp/
サブプライム問題から始まった、世界不況。日本でも、リストラや給与カットが問題になるなど、先行きが不透明だからこそ、強い言葉に勇気づけてもらいたい、そんな気持ちが今回の結果に表れたのかもしれない。だからこそ、まだまだ続きそうな『○○力』ブーム。“言葉の力”に惑わされること無く、自分に合った1冊を見つけることが大事なようですね。
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