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  • 流行りモノ調査隊 ♯83 『映画シーンで高まる“日本”の存在感』
流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#083 今週の急上昇キーワード(更新日:2009/03/03)
映画シーンで高まる“日本”の存在感
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今回の調査内容
映画シーンで高まる“日本”の存在感
日本アニメのハリウッド映画続々・・・その楽しみ方は!?
実写、CG映画化企画が多数進行中
ハリウッドが日本アニメに注目するワケ
日本のファンにも不評も……
でもやっぱり楽しもう!!
ハリウッドが日本アニメに注目するワケ
『DRAGONBALL EVOLUTION』でブルマ役を演じるエミー・ロッサム。『オペラ座の怪人』『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)などに出演した実力派女優
『DRAGONBALL EVOLUTION』でブルマ役を演じるエミー・ロッサム。『オペラ座の怪人』『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)などに出演した実力派女優
『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』で主人公のチュンリーを演じる新人女優クリスチャン・クルック
『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』で主人公のチュンリーを演じる新人女優クリスチャン・クルック
  それでは、なぜ今これほど日本のコンテンツがハリウッドで注目されているのだろうか。その背景には、ネタ切れに苦しみ世界的ヒットが見込めるネタ探しに奔走するハリウッドが、多くのヒット作を産み出しているアニメヒーローものにその可能性を見出していることがひとつの要因にある。『スーパーマン』『スパイダーマン』『バットマン』など、アメコミヒーローものの映画はこれまにも大ヒットしており、そのシリーズ化は続いている。さらに昨年は、『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』といったアメコミヒーローも実写映画化され、原作コミックのない映画オリジナルのヒーロー『ハンコック』も登場した。そうしたアメコミヒーローのネタが尽きつつある状況のなかで、注目されているのが日本アニメだ。

  アメリカでも1970〜80年代にテレビ放映されていた日本アニメのファンはハリウッドの映画人にも多く、また、日本のゲームやコミック、キャラクターなどは世界的に人気を集めている。そうしたなか、2000年頃からは日本の出版社などが本格的にコミックの米進出を展開しており、それらのコンテンツに親近感をもつ今のアメリカの若者も多い。『DRAGONBALL EVOLUTION』でブルマ役を演じるエミー・ロッサムも子供のころ日本アニメを観ていたことを語っており、『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』でチュンリー役を演じるクリスチャン・クルックも、日本のゲームやアニメになじみがあることをコメントしている。

 そんな環境があり、さらにもともと日本アニメはそのストーリー性に定評があるうえ、アメリカに次ぐ映画マーケットである日本での話題性、親和性の高さもある。こうした要因が重なり、かつて日本アニメをみて育った世代の映画監督やプロデューサーが、熱い視線を送っているのだ。現在、公開が迫っている作品や、企画中の作品の興行動向にもよるが、この先さらに、日本コンテンツのハリウッド映画が逆輸入されてくる状況が続くかもしれない。
日本のファンには不評も……
 しかしその一方、これまでに公開されているそうした作品には、ヒット作とそうでないものがある。『スピード・レーサー』(2008年)は、公開前の話題性こそ高かったもののフタをあけてみると、日本では2008年洋画興行ランキング(日本映画製作者連盟発表)のトップ20に入らず、興行収入は10億円に届かなかった。そして、話題が先行している『DRAGONBALL EVOLUTION』は、これまでに披露されたキャラクター写真や予告編の映像に賛否両論。原作からかけ離れた映画オリジナルのストーリーや、外国人俳優が演じることによる原作キャラクターとのイメージの違いなどが、一部日本のファンから不評を買っているようだ。

 日本のコンテンツを原作にしながら、その設定だけを使用した映画オリジナル脚本による、ヒット作工場の理論での映画化は、原作のイメージを大事にするファンにしてみれば“おいしいところ取り”であり、喜ばしいことではないかもしれない。また、その原作のコアファンではない一般の日本人でも、日本人俳優が演じて欲しいという気持ちはあるだろう。
でもやっぱり楽しもう!!
  ただ、当然のことながらこうしたアメリカでの映画化は、いろいろな事情や政治はあるかもしれないが、原作者や権利者など日本側の製作者の許諾を得て進んでいる。ハリウッドで映画化されることによって、全世界のマーケットに向けて発信されることは、原作にとって、日本コンテンツにとってのメリットもあるだろう。すでに世界中にそのファンはいるが、より一般層へ広がり、興味をもつ人の裾野を広げることにつながる。そこから日本の原作に回帰する人たちも当然出てくるだろうし、そこで改めて、ハリウッド映画とは異なる原作の評価がなされることだろう。

  世界マーケットに向けて発信されるハリウッド作品は、日本映画とはケタが違う巨額の製作費を有する。ハリウッドスターが出演し、大作を手がけてきたメジャー監督がメガホンをとり、最新鋭のVFX技術を駆使した映像やド派手なアクションが組み込まれたスケール感のある作品として産み出される。それは原作とは別のものになるのかもしれない。しかし、ハリウッドが作るとこうなるという、日米映画の文化の違い、解釈の違いを楽しむこともできるのではないか。鳥山明も『DRAGONBALL EVOLUTION』についてコメントしているが、われわれ日本のファンは、原作とは異なるアメリカ発のエンターテインメントとしてハリウッド実写映画を楽しんではどうだろう!?
<関連リンク>

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